2023/08/15

 返品っておもしろいな。交換できるものが返品対象。近所のスーパーの貼り紙には、レシートがないもの、なまもの、下着類、雑誌は不可とある。なまもの(いつのかわからん)、下着(キモくなる)、雑誌は紙の劣化よりも読むことで情報が移動することに条件が課されているように感じる。(立ち読みって何だよ、逸脱している。それでええと思う)


〈ここから通販の返品〉

返品は政治的なニュアンスを含まない。新しいものを所有する欲望と、ものをやりとりするにあたりものの周りにつける約束、オプション。返品自体は簡単な動作で完結しつつ、消費者側に立ってるように見せかけ購入の補助をする。

たとえ返品したとしても、その会社や店から買うのでなくても大体他の似たようなやつを買うので、大きな経済社会に参加する輪からは抜け出ない。不良品という枠組みもある。安かろうの品質ガチャも含み。

一方、不買は、購買と共に同一人物の手の元で比較されるものではない。物の価値の面倒を運動する(ここは誤字でなく【面倒を運動する】)パフォーマンス。韻踏んどるな。

返品と似て非なるもの、リコール。品において売り手側の判断で一時回収・修理補填のプロセスがあり、制度において有権者からの解職請求が行われる。と思っていたけど、アイデア輸入のタイミングで何かがねじれたのだろうか。展覧会への抗議はリコールに似ている。(展覧会をプロダクトと呼び変えることに抵抗はあれど、無理やり気味に語るならば、)展覧会の一時回収、修理補填、もしくはキュレーターの解職を望んでいるのではないか。望んで、というのは、回収なり解職なりが自発的な行動変容として行われることを前提とした態度だ。リコール的にでなく、展覧会やらなんやらを返品(買ってないから実際には無理だが、アイデアをヒントとして)することはできるか。