4/9〜4/29
4/9
お金のワークショップした。詳しくは会場のノートに書いていく。水曜日のWSシリーズはなかなか楽しい。自由で。告知をしなくて半分ゲリラにはじめると予期せぬ他者に会えるのがいい。非常に特権的だ。特権的というと悪いみたいなかんじだが、いいも悪いもなくただただ立場として特別だ。自分がただやってみたくてやっていることに他人が付き合ってくれたり、広報してもらったり、ふしぎだ。「ワークショップを始めるんでよければ」と言うと、知り合いも知らない人もなんかわかんないけどというかんじでその場にとどまる。半分聞き耳を立てる。展示室の中で一時間程度の参加型の時間芸術につきあう。今日は「お金」について。参加者はみんな友達だった。
4/10
美学校で修了展搬入。20時までの搬入に19時に来るひと、そういう人結構いるが、周りの人もまあ呆れつつ、受け入れつつ、手伝っている。順調だよーとなかばヤケクソみたいな励ましを撒き散らしながら、的確に指示できた。偉い。クマのインストールで折原さんのインストール技を盗んで美学校で伝授。前に「キュレーターではなくて、サーキュレーターやね」というギャグを言ったことがあった。。今回の展覧会、コ・キュレーション担当でなくサーキュレーターとして名乗ったらよかったかも、家電みたいで笑える。場所とかの風通しをよくすること。自称するにしては尊大だ（なのに家電）。
設営作業でO JUNさんとはじめて話した。なんていい人なんだろう。描き逃げ！と言いながら1分くらいでインストールしていた。作品の形態こそ違えど、自分の制作態度と重なる部分がある。その場に起きていることをキャッチし（O JUNさんの場合は場所の色形、かな）空間ごと自分の造形あそびにまきこんで、そのまま嵐のように帰って行った。
4/11
BUGで小山さんにパフォーマンス練習に付き合ってもらう。「世界をよくする動き100選」というスキームを開発。よくする、は無限に増殖する。悪くする、の方が難しく、あらゆる動きを適当にやるという態度が「悪くする」につながる。その遍在性は詩のようだとおもった。何かを見るときに詩がくっついて、あるいは発生して、何かいいものになる。作品や思い出、とっておきたいもの、覚えておきたいもの。そういった遍在性の、逆。「悪い」の正体なのだという特定に至った。
4/15
パラダイスエア。おもちゃ屋さんで買った中古のフィギュアを使って写真を撮るのだ、とマガリが見せてくれたので、松戸のおもちゃ激強駿河屋みたいなところも気にいるかと案内したけど、おもちゃはもういらないということだった。なーんだ。アンティークネガが売っているところおしえてちょんまげと、聞かれて、売ってはいないが図書館で見せてもらうことはできるかもしれないこと、などを一緒に写真館へ行って教えてもらう。写真の要素のためになんでもかんでも理由なく買い物するのは別に勝手にしたらいいんだけど、アテンドは必要ないよな。私たちが勝手について行ったので。彼女も試行錯誤なのだ。アテンドって助かるけど彼女からしたら重たいのかもしれない。
去年の今ぐらい、本当にしんどかったな。そのあたりの日記は、本の中ではごっそりと削っている。今日は弟の誕生日だ。弟が29歳になるというのは信じ難いが。誕生日おめでとうと書いてあるNARUTOのスタンプをLINEで送ったら、ミナトの腕が切り落とされたズタボロ父子像だった。
4/16(水)
CSLABの冊子を貰ったので読む。そのまま自分の頃のやつも読み返す。懐かしくて優しい気持ちになる。みんなの小さな写真をみてかなりにっこりとしてしまうのをなんとなく他の人に悟られないように「あ〜」と声を出したりする。愛しい的な感情になる。
4\17(木)
つかれた………家から出たくないが仕事へ。休み欲しいな。最近の休みは、月曜と水曜のAM。あとはパラダイスエア、美学校、BUGのどこかにいる感じ。
美学校で劇やめの広報のためにインスタライブをする。篠田さんがタバコ吸って酒グビーやっててびっくりした。あかんて。今度言お。無言劇の話の中で「繰り返しに耐えることが演劇だ」という定義づけがされる。なるほど、と密かに思う。また、話すと聞くを分ける、というのはオープンダイアローグとリフレクティングの技法らしい。そういえば、「対話なんかでなぜ癒えるのか」的な本を読みかけにしている。制作と鑑賞は、話すと聞くをわけるというのが前提になっているコミュニケーションだな。鑑賞しているうちに自分の声を聴く、的なのは、言い過ぎだなあと感じる時もあれば、そのとーり、とおもうときもある。
そうした、話す仕方やメソッドへの飛びつきに、本講座のタイトルである「劇をやめる」でなく「劇のやめ"方"」たる所以があるなとおもった。「本講座は社会生活の中にある困った劇をやめるために、演劇とその周りにあるさまざまな手法を検証して共同研究を行うゼミ。修了公演では何かしらのアウトプットを講師と相談しながらつくる。」という簡潔な説明ができるのではないか。
こかぷく通信vol.2発行した。こかぷくもWSもその時々の良さがある。継続することで自分がケアされて深まっていく感じがする。日記もそうだし、手の届く範囲で継続的にやる活動が好きだ。
4/18(金)
パフォーマンス。武蔵が登場。あまり書くとよくないような気がして、パフォーマンスの感想は何だか書きにくい。体だけで、いろんなことができる。そしてやった以前の身体には戻れない。パフォーマンスは生をあらぬ方へぶっ飛ばしてしまう。そこがおもしろいと思う。うまくやるとかは無くて、私の求めるパフォーマンス作品というのは、そうだ、生をあらぬ方へとぶっ飛ばしてしまうような、個人的な経験の高まりなんだ。
4/19(土)
小山さん大槻さんのWS。安定感が必要そうなのに不安定に進む。そういうものの正攻法みたいなのはある。関節が柔らかい人と固い人では戦い方が違うことがわかって、小山さんの作品は関節が硬い身体をした小山さんがその身体で考えたことが現れる作品なのだなということも同時にわかった。「弱い男性」という小山さんの着眼点の面白さが効いてくる。小山さんの作品は、テーマとなる部分に注目するのが世間と比べて6年くらい早い傾向にある。
パフォーマンス。先のWSがあったおかげもあって、観客のノリが高まっているので過剰に盛り上がる。それはそれで良い。しかし最良ということはない。そういうコンディションを引き受けあった結果として状況がなる（果物みたいに）。
4/20(日)
のせボーイがシールを買ってもらって、カーミングエリアに貼った。パフォーマンス。つなちが登場。対応力がある。ラボ周りの人は、なんか他の人がいる時に自分のことをやることに神経が繋がるのが早い気がする。身体が空間に行き渡っているような感じ。ありがたいな。あつろうとつなちも3人でやりつつ、今日は私がリードして参加型を試す。かなり盛り上がったのだけど、そういった経験がいいものだというふうにはならない。つかしてはいけないという意識がある。鑑賞者泣かせの表現で申し訳ないような、まあ別にどうだっていいか、というところもある。人のためにやっていないけど他人が必要。それがそのまま表現になって他人の時間に入り込む。それ自体は面白い。しかし行うことになったのはジェスチャー集団みたいなかんじで、これはあまり、個人的な生の感触がぶっ飛んでしまった感じがしない。楽しかったけど、なーんかな。ぶっ飛びが無い。普通。そういう日もある。
4/21(月)
インスタで、何かの広報なのか、久しぶりに小沢剛のベジウェポンの作品画像を目にした。初めて見た時はアイデアすご、とおもったものだったが、もはやすごく侵略的な作品に感じられる。
少し前に、下着とか買いにユニクロ入って、ピカソのTシャツがあってふといいじゃ〜んとおもって欲しくなっちゃったけど、そういえば、というかんじで、性加害者のサインが入ってるTシャツ着て歩くより、過去に生きた女の味方をしたいよと思いなおした。欲望の前に立ち止まる、なかなか難しい。
今日ばかりは疲れ果ててもう無理です。ポケモンスナップした。難しい。ゲームの下見。バトル無しでコレクトしてゆく。変なゲーム。
4/22(火)
パラダイスエア。お寺にフィギュアを置いて写真撮る撮影に同行。なんだかよくわからないけど、やりたいのだからしかたない。他人の表現に同伴するというのは、0人目の鑑賞者になることかもしれないな。決定的にまずいことが起きない限りは透明になる。なんか必要そうなことを汲み取って願いを叶えてみる、たいそうなことでなくても。作者とは違う形で作品を触ったり眼差したりするのを求められている。あもさんとご飯を食べに行った。出てきた料理が多くてお腹いっぱいすぎる。
4/23(水)
WS。子ども時代の記憶を話してみる。NくんちとSちゃんちの間の道を記憶の中で行こうとするとなんか違う道に行ってしまう。とかそういったようなこと。思い出して話すだけのWS、けっこういい。こんな感じで、なるべくノーモーションで作品を作る。日々の対人慣れで、そういう能力に目覚めつつある。二木さんの作品が更新されている。事業所のみんなが展示室に来て作品を見ている様子が映像で見れる。なんてことだろう。
4/24(木)
美学校からのBUGからの美学校からの東京駅と、千代田区の文化施設を反復横跳び。チャリどこ止めたかわからなくなった。ゴールド江田島というアカウントが魁男塾の切り抜きをたくさんYouTubeに上げてくれている。動画は全て1.5分とかなので収益化されていなく、単に教育普及的な意識でやっているのだろう、助かる。ど深夜なのにゲラゲラ笑ってしまう。絵と音楽で笑わせてくる。だれかをゲラゲラ笑わせてみたいものだな。
4/25(金)
CSLABの展示を見にいくために相原の坂道を登っていると、モーバンのポニーたんが外へ出てきていて、草をはみはみしていた。お尻にハートの形に毛が残されていてかわいそうだった。ハートのとこだけ暑いんじゃない、と小山さんが言う。
午前に相原、午後は東京駅。遠すぎて、場所を並べるだけでなぞなぞみたいだ。道中、二組の子どもの行列に遭遇。もうゴールデンウィークに差し掛かろうとしていることに気づいて、始まったばかりの気持ちでいた展覧会がもうまもなく終わることを意識する。
展示室にいるといろんなことが起こる（そういうふうにしたので、それがうまく行っていてよかったなあたのしいなあ）。造形大の末永ゼミのみなさんがきてくれて、美大生が関心を持ってくれそうな言葉選びで展覧会のことを話してみる。サイトスペシフィックとか、そういうかんじの用語をふんだんにまぶして。話しながら、これ死語みたいなかんじだったらどうしよう？とおもっていた。なるべくちゃんと話した。聞いていた学生から、質問というか相談みたいな感じで、万博のグラフィティアートが守られていることについてこれはアートではないたいう発言をSNSでみてモヤった、それについてどう思うかと聞かれた。ストリートという文脈、美意識の視点、美術と装飾の違い、また国威発揚的な表現に動員されていった過去の芸術家とそれを反省する現在の動き、そういった話をしたはずだが、全然うまく喋ることができなかった。
夕方から、十君とバンチと一緒に宮田さんの編み物のWSに参加した。十君のオリジナルソングが耳から離れなかったのに、今はそのメロディを思い出すことができない。鎖編みと玉編み？を教えてもらった。あいちのときにも手芸部の方に教えてもらったのを、やりながら手が思い出した。途中参加できたひとが隣に座る。30分先輩の私が1分目の参加者に知っているところまでを教える。初学者同士でも渡せることがあるというのは不思議で、そこに技術というものの本質と良さがあるなと思った。人に教えることは、教えてもらう方にも教える方にも、そこに一緒に居るという意識を結びつける。名前も知らないけど、こうして、こう、というので分けることができる。何かが出来上がるというわけでもないが、何の形でもないピロンと編まれた毛糸の紐が手元に残る。このピロンを見ていると火傷痕を愛でるみたいな、修復的な気持ちになった。
4/26(土)
橋本力男さんトーク。録音したデータがあるのでそれを文字起こししたい。在野の研究者。オープンで、具体性があって、エピソードが全て強すぎて太刀打ちできない。
4/27(日)
のせボーイと小山さんと共にジュラシックパーク3の映画制作を宮田さんのラグの上で。青いところが湖になって、そこでブラキオサウルスが水を飲む。ずっとこうしていたい。人形遊びを真に肯定されるので子どもと遊ぶのは楽しい。
明日誕生日なので、フライングしてケーキを買って帰った。ゲームをした。身体の内側に力を込めて自分を皮膚よりも内側の空間へと小さくするイメージを持って筋肉を動かしてみると、身体を絞るということに合点がいって、それだけでなぜか痩せたような気持ちになった。
4/28(月)
33rd （さんじゅうさーど）バースデー。寿司と、ピザと、ケーキと、プリン。全部やってやったぜ！
二木さんが散歩メンバーたちと展示室に長距離散歩しにきた。散歩の途中に作品がある。エコーしている。散歩の様子がついでみたいに作品になり、それを鑑賞しにまた遠くまで散歩しにくる（すご散歩集団）。そしてこんな遠くまで来るなら旅行も行けちゃうんではと調子に乗っているみたいな感じで、生き様、可愛い。生きてる性が強い。みんなが嫌な気持ちにならずにいて欲しいし、そういう世界にするぞ、そういう感じにもなる。おもうだけでうれしくなるようなことが、実際に起きてるしなんと見れる！二木さん散歩とアーティスト業をしてくれていてありがとう。レビューを書いていただいた菅原さんが、学生さんと来た。いろいろと話す。テーブルを置いて本当に良かった。作品の前でずっと話すのは難しいから。全体のことを話すのも、展示室にきた人の話を聞くのも、中間的な領域があるとやりやすくなる。棚の話も、やっとちゃんと鑑賞者に向けて話すことができた。大きな生活と展示の中間の雰囲気を纏った棚を入れて、必要なものを置いていく。植物、途中の制作物、リサーチノート、プラカ、種、色鉛筆。
4月29日(火)
誕生日の翌日。外泊をしたため昨日の服のまま、電車に乗って、松戸へ向かう。駅を降りると陸さんに遭遇。本当にここに住んでいるんだなと、遭遇するたびびっくりする。生活するアーティストたち。陸さんが私の服装を褒める。昨日と同じ服だけどねと心の中で思う。パラダイスエアで寿司パーティー。寿司とピザの話になる。昨日食べていた私はギクリとする。はじめさんがサク君の話していることを汲み取って彼の口となって親が逐次で喋り直す。理解していることを示しながら話す。すごい。日記についてを振り返り、他人向けのWSを組み立てる