2023/09/17



玄関、トイレ、クローゼットを含めて9枚あるドアの(そのうちひとつは引き戸だ)そのうち、7枚が壊れている。天井が歪んでいるのか、ドアがドア枠に嵌って動かなくなってしまうのだ。閉めるのも開けるのも力がいるので玄関以外のドアは基本半開きにしている。

加えて窓も問題がある。二面採光の部屋の二面はそれぞれ、住み始めてからすぐにヒビが入った東北東の出窓と、大寒波の時に寒暖差でヒビが入ってしまった南東のベランダ(このベランダの大きい窓はもう5年くらいずっと開け閉めがスムーズにいかず、いつも綱引きみたいに力をこめて窓を左に滑らせ右に滑らせしている)である。ワイヤー入りのガラスなので飛び散ることもないのでそのままにしているが、とはいえこれはきっとまずいよなと思ってから3年が経ち、しかしもうすぐ引越すだろうし、と先延ばしにして結果いまだにこの部屋に暮らしている。別にいいけど…。歯医者に通うのをやめてからももうすぐ1年が経つ。そんなふうに遅延していることを暦のように使うのはそれだけで疲れる。


反故にされた約束を私だけがずっと覚えている。同時に私は私が破った約束をほとんど覚えていられないのだが。そうしてそれぞれの元には嫌な蓄積だけが溜まっていく、と世界はそういう仕組みになっている気がする。スルースキルはあれば便利なのだろうが、それがどこでいつどうやったら身につくものなのかというのを教えてこようとするのは詐欺師しかいない。※この段落は「違国日記」を一気読みしたノリのままに書いている。朝の顔が好きだ。


夜、沖啓介さんとオートボーイ氏のライブを見に阿佐ヶ谷のライブハウスmogmogへ。シンセサイザーとデスクトップミュージック(というのかよくわからないが)とエレキ化したいくつかの楽器によるインプロのデュオ。演奏は展開が身体的とはほど遠く、沖さんと話していても会話の展開に対してそう感じることも多いのだけど、急に、ものすごく速いスピードで、あるいはカットが切り替わるような感じで、それでいて隣り合う音のままに展開がなされる。全く違う話をしても、全く関係ないわけではない。語彙や知識の連打というだけでもなく。しかし何かの連打ではある。音楽面白い。みんながオタクな話をしてるのに入れないので(別にそれでも構わない)店に置いてあった雑誌をめくる。中国のインディバンドが色々と紹介されているので、気になるものをApple musicで検索した。オートボーイ氏にも中国のバンドを教えてもらった。Gong Gong Gong、run run run、Sleeping Dogs、The Molds、李志、海朋森、小六。雑多でありつつ情報量の多い場所が好きだ。よく知らないひとであれ、いくつものひび割れや破れやこぼれ落ちたものに注目して、そこから好き勝手に入っていける。