この家・この誕生日会の詩
かわいいもの見せてあげる。あなたはおいしいジュースを持ってきて、ドリンクバーだよと机に並べたあと、煙草を吸いながらぬいぐるみを動かしダンスする。死んだふりやどうぶつの森の声真似をし、知らない言葉のクイズを出す。知っている限りのフルーツの種類を数え、アニメのいいシーンを止めながら観よう。無言で本を読むあなたの傍で、粘土で変な腕輪を作ってあげる。手癖でなにかの楽器を弾き、小さい声で適当な歌詞をつけて歌うとかっこいい空気が流れ、そこにトラウマじみた恥ずかしさやってくる。しかし誰に咎められることもない私たちには、それがそのまま普通になる。
この家・この誕生日会の詩