2024/04/08

 窓を開けたら虫が飛び込んできたがうーちゃんは気にも留めない。小さな虫が部屋をぷんぷん飛び回っているのはむしろ愉快愉快との余裕を見せてかつてないほどバグズフレンドリーな朝。その理由はひとえに展覧会が終わったからである。

搬出へ出かけると、もう既にほとんどすべての撤収が終えられていた。印刷物在庫を持ち帰る手配だけして、すぐに帰宅。夕方のミーティングにあわせて家について、3月中にほとんどを終えたいくつかの仕事の事後的な細かい確認や納品作業を済ませて、久しぶりにまともな状況下で必要なだけの分量の仕事をしたなと思った。いつもおそらくは業務過多なのだ。それで、20時にはのんびりとした時間を家の中で過ごすことになった。本を読んだりSNSをのぞいたり音楽を聴いたり電話したりして過ごす。うーちゃんは長電話をするのが好きなのだ。

音楽を聴くのは気が楽であり、高純度で楽しい。興味を持つ先が増え、知っていくことは感性のスコップでどんどん掘り進んで行くようだった。鑑賞する主体として作品と対等に向き合う力がついているのを感じて、それも誇らしい気持ちになった。憧れでなく、知欲や焦りでなく、ただ余暇として無用に趣味として向き合うのだった。今一番楽しいのは日記を書くことで、その次が音楽を聴くことだ。現代アートは狂ってる。疲れた。どっか行ってリフレッシュしたい。1.5ヶ月くらいがいいがそれもすぐには叶わない。音楽をたくさん聴いたり好き勝手に好きなだけ調べたりすることはどこか違う場所や何か理想的な心のありかへ向かう心地である。

ウーはリベラルでフェミニストで女性でというキャラ付けされた範疇において友敵判定をかけられることも多いが、しかしその実ただ身勝手なだけなので、人としておわってるアーティストの作った作品をそれでも好きだと思えもする。が、逮捕されろとも思う。人を恨んで作品憎まずをゴニョゴニョ言いながら通用させるだけの自由主義者であった。

そういえば日本画家Uさんは共同研究者K氏の悪事の露呈に乗じてその共同研究の成果からK氏の名前を削除するよう各機関へと電話をかけて回っているそうだ。あまりにしつこいので、名前を消すことでUさんの鬼電が止むのならと削除してしまうことも起きているらしかったが、これは甚だ歴史修正行為であり、一度日本画界隈人、M美術館、戦後美術史の歴史家、各教育機関の妖怪たちで集い、どのようにかアーカイブを取っていくためのレギュレーション会議をした方がいいのではないか。