2024/04/11

切実な悩ましさについて話すのを先延ばし先延ばしして、そこからまたそれについてはさらにまた今度となってから、またもひと月ほどが経つのに気づくのは生理が来るからだった。不快さが何かリマインダー機能を果たす。カレンダーを考案したのは女であったに違いないと思って調べたらそうではないらしかった。そんなはずはないとおもうのだが。女の功績を男が奪っているのではないか。知りようもない。調べ物のおまけに古いカレンダーを色々と知ることができたので、できればコレクションしたいと思った。

もうしばらくずっと長いこと不眠症であり、毎日4時間くらいしか眠れない。加齢のせい?寝つきが悪く眠りも浅くて悪夢がやまない。それは見た目にも現れている。たまに連続で10時間眠れると再起動にかかる巨大なカロリーを感じる。たくさん寝て起きた朝の身体は重い。冬眠から醒めた熊の動画を何度も繰り返し見た。ぼさぼさの痩せた白い熊が辺りを見回しながら地面をふみふみ。空腹と長い眠りによって世界を確認するしかたが身体ごと新しくなったみたいに感じているように見える。

ここ最近では、眠りにつこうとするときには、この熊の世界へむける目を空想する。熊の中に入り込んで熊の目で世界を見、そこから夢に入ってゆく。前はカラスの巣のある場所をこれまた空想の中にある森の中に探し、その前は自分が鯨のアバターを操作する想像をしながら寝返りを打った。個人的な想像上の庭をどんどん具体的にしたこともある。小さな門がついていて、草は膝くらいまで茫茫であり小さな黄色い花が咲いて奥へと細長い。気に入ってる石を空想の中で3DCG化してゆっくりとグルグルまわしていたこともある。わたしはその時期、その石を全て知り尽くした気でいた。

美学校の展覧会はみんな、自分も含めて、文を書くのが止まらなくなってしまう質のひとが集まっているようであった。展示ではなく本を作る成果発表にしてもよかったのかもしれない。帰りにまた、神田川沿いの変な長屋を見に行った。川底へ向かって伸びる階段を降りる決心は今日もつかなく、憧れにも似た思いで細くてぼろっちい暗い階段を見つめる。きっと降りてしまえばなんてことはないだろうと予想はつくので、この美しさのまま階段を降りないでいい。

「根が警察嫌いにできているうーちゃんは、警察をみるたび何か邪魔をしてやりたいといつも考えていた。」曲がろうとするパトカーに対しての全身での横断歩道スクラッチ行為のエピソードを披露する際には、語るにつけ2割程度の嘘ぱちを混ぜた。

早歩きの中、喋りたいことの言葉の選択に焦って息継ぎをし損ねながら、さっき買ったジュースも飲みたいと引き裂かれる。タバコを吸うためにライターと携帯灰皿をずっとカバンに手を突っ込んで探しながらiPhoneはどこにいれたっけと三つのものを同時に探すも何も見つからない。

寝転がっていたらお腹がぎゅうと潰れて、星が喋るかのような声がでた。ギャル文字を翻訳無しに記号のまま読み上げるように喋ると、本当に星が喋っているみたいだった。どうぶつの森に星のキャラクターが登場するのなら、私が声を当てたい。自分にはこんな特技があったのかと楽しくなり、40秒間くらいのあいだ、星の声でインダストリアルを伴奏に歌った。