6月9日と10日と11日
6月9日
この部屋は3階だというのにたまに小さな蟻を見かける。朝になると蜘蛛がいる。毎朝同じ階段に甲虫も見かける。全部放っておく。生き物を殺すのは怖い。一人きりでいる時は特に。殺意を持って虫を追い回す自分の体のデカさが恐ろしくなる。少し前、青山では心と挙動がゴキになるのだという話を聞いた日、広々としたティーラウンジでスリの話をしたのは世界への小さな悪戯だった。他の人たちと私たちとがまるで違っていることがなんだか嬉しくて、だからもっと悪ぶりたいみたいな気持ちが楽しかった。そう脈絡もなく思い出すのも仕方ない。
悩みは何度も何度も振り出しに戻る。戻っては翌日になり、それが昨日であり今日である。悩んでいるうちは留まり続ける。悩まなくなった時、私は何を選んでいるのだろう。
6月10日
近所に喫煙のできる蕎麦屋がある。嬉しい。アイスコーヒーには曲がるタイプのストローをさしてくれる。ストロー大好き。
家と蕎麦屋の間にはペンキをベタベタに塗った家がある。ピンクや黄色に塗った上から白いペンキを刷毛でこすり、柵はペンキの厚みで丸っこい。それを一緒に眺めていたもりもっちゃんが思い出したようにぽつりと、昔住んでいた地域ではこどもの誕生日に家を好きな色に塗る慣習(?)があったと言った。しかも塗るのは子どもたちが自分でやるのだという。なんだかまるで宮崎夏次系の漫画に出てくるみたいな話だ。概念としての色を家のスケールの分だけ思い浮かべようとすると、たっぷりのペンキが満ちるように脳が色でいっぱいになる。そこに住む子どもは誕生日にそうして大量の色のことを考えるのだ。
6月11日
asamicroさん、Ivannaさん。現場主義でさくさくと行う。爽快。
家。そしてついにあれを出す。あー絶対炎上しそう。明日出す。その最後の相談電話してたのに気付いたらめっちゃ恋バナしてたが気が紛れた。てか今日めっちゃ快便。身体の淀みが全部出ていくかのようなマインドフルネス・スピうんこ。毎日の勉強の成果が出て、早口で言いたいことを英語で話せる。語彙がなさすぎていろいろ追いつかないけど。出すや、出るや。