2023/05/10



5/10って、なんかあった気がするんだよな。思い出せないけど。5月10日。すごい仲良かった人の誕生日かもしれない。それとも仲良くはない人の誕生日だったか。なんかの締切だったか。

戸籍謄本をとりに、4歳まで住んでいた湘南台へ行った。住んでいたのは4歳までだけど、車で20分くらいで来れるのとばあちゃんが住んでいるからミニバスを始める11歳くらいまではほとんど週一で来ていた。

引越し物件を調べている時に見る築年数が、建物自体の経験値みたいに思える。建物がずっとそこにあることや、誰かが移動の目印にされたことによる経験値。誰かが帰ったり、目にしたことのこびりつきの蓄積。わたしの思い出に30年くらい張り付き続けている。思い出の景色、住所、思い出のない景色。

文化センターという当時大規模な建築のコンペがあったらしいわりと有名な施設があり、夏休みだか祝日だかには、子どもたちは無料でプラネタリウムに入れる。毎年一回、夏の夜空の同じ上映を観た。360°周囲に湘南台の街が現れて、目の前に「東」という字が浮かび上がる。日が昇り、夕焼け空になり、陽が背中の方へ落ちていき、月が昇って夜になる。そこから星座の話が始まる。図書館の書庫整理で「宇宙と星物語」といういろんな国の夜空についての物語が書かれた子供向けの短編集をもらって、プラネタリウムで見た「こと座」とか「こぐま座」とかに奥行きを足していた。

近くまできたしばあちゃんちへ行った。ばあちゃんが仕事を辞めたこと、目の手術をすること、旅行はよく行くこと、髪の毛を自分で染めようとしていること、山本さん、アッコさんという友達がいること、とかを話した。働くことで人との関わりを持って楽しくやってる人だから、手術が済んだら(目の手術は10分で終わるらしい)毎日2時間くらいだけまた働くんだそうだ。いつも、正月とかに会うと特に何も話さず親戚の赤ちゃんの話かご飯の話かしかしないので、いろいろ話すことができて嬉しかった。結婚しないで生きていく人も多いから、法律もこれからそういうふうになって行くと思うよって言っていた。ばあちゃんは絵を描くのがうまい。何かをまた始めたいみたいだった。すごくいいと思った。

そうそう、忘れないように書いておきたい。昨日、Sのとこに赤ちゃんが産まれた。本当におめでとう…産んだひとの気持ちは想像もつかないけど、そのパートナーの気持ちも想像つかない。心底幸福なんだろうか。そうだといい。酔い潰れたみどりを送り届けた時に誰かが調べた住所がライングループにアナウンスされ続けている。


この鳥が細い枝に並んでいる絵の看板が、雨に打たれている風景をよく覚えている