2023/05/01

 武蔵美へ最後の会場下見に。武蔵美方面を目指し立川から出発する午後4時発若葉台団地行きバスでは、相変わらず老人たちが席を譲り合い健脚順位の微細な判断の応酬が行われている。斜陽差すこのバスに乗っていると、このまま全員で砂になるんじゃないかと思う。外は一面カラカラの畑で、その脇に置かれパンクしたスポーツカーは土埃で白茶け果てている。

下見のあと、展示の調子はどうですかと聞かれ、まだ6割ですと答えると、なにも心配してない、うらさんは手ぶらできても大丈夫なひとだと言われた。身に覚えはあるが、私の方は毎回大丈夫じゃなくて、まじでずっと悪夢見てる。とはいえ、大丈夫じゃなさの証明は悪夢しかない。作品作るたび今度こそ誰も彼もから嫌われるって思ってる。それが面白いっておもうのは、小林さんが狂人(すみません)なだけだとおもうけど、空気の入ったサクッとかるい鼓舞にとても救われる。心がすっきりする。狂人たちとヒリヒリした遊びができたらいい。自分がやらないことを極端にやってるひとはたしかに面白く思えるかもしれない。だからいいと思えることが多くないとも言える。面白かった人も、あまり面白くなくなってきてたり。結構普通だなー、普通なことは悪いことではないけど…とか、そういう感じになる。あまり興味が持てないとかなんとか、まあわたしだって身勝手に、ひとのことはなんとでも言えるのだ。どこまでやったら作品見た全員から完全に愛想尽かされるだろう。振り切っていこう…。下見したら安心して、その分だけで進捗が7割になった。嫌われる感じでokだ。