2023/05/26



 武蔵美。学内を陸さんに案内する。学内の建物のパーツのスケールが、目の中でペラペラになったりでっかくなったりしている。上から見たり、回り込んだり、悪口みたいなのを言って刻んだりしているようにみえたが、これは全て口から出る言葉の上で行われていて、なんなのだこれは、と思った。素材や矩形の連続、高さ低さ、急に目に飛び込むでっかさ、とかにおおーとか言っているのを横で聞いているのが楽しい。目の前にあるものに反応するということ、その喜び。飛び跳ねるよう。というか、見事に全部の建物の形が違うことをなぜか普通に思っていたけど、あんま普通のことではないな。

形に喜ぶスイッチが入ると、机の上にものがいっぱいある状況とかものの形が入ってきすぎて目が回る。箱とかもなぜか逆にめちゃ無理。箱の中になんか入ってるのかと思うと情報が複雑化する。ものが隣り合ったり、重なっていたりしているのがもう、アアー!!という感じ。ものの前にものがある。目の前にレイヤーがめちゃある。この机、いつの間にそうなっていたんだろう?今見えてるもの全部に形があり、手触りがあり、見えているだけなのにそれがどんなも触り心地なのか触らなくてもわかる。ものの情報量が多すぎてなんかわかってしまう。そのことにとても焦る。もはや怖い。うっかりするとどんどん怖い方へ進んでいって、たとえば、この世界にある全部のものの重さの合計のことを考えたり。怖すぎる!質量保存の法則で、人間が生まれてもビルが建っても地球の重さは変化しないらしい。ある炭素がある炭素に機能を変えて地球の中をリサイクルして過ごしている。前世があるとするならば、どちらにしても炭素だったのだろう。