2023/05/07

 マザリング/ケアフッド展を観に、水戸芸術館へ行った。何かが違えばわたしは結婚していただろうし、子どももいたかも。これからそうなるかもしれないし、そんなことは一生ないかもしれない。わたしは何か選べるんだろうか。選ばれたからそこで頑張るということをしてきたけれど。唯一のことを選んだことは一度もない。いくつか候補があって、その中から一つ選んで、だめだったら別の道があった。別の道がないということはそれをするか、しないか、どちらかしかない。産むというのは、産んだか、産んでないか、どちらかしかない。ちょっとだけ産むとかはない(ユニちゃんの詩に、生きているということについてそんなふうに書いてあった)。産みたかったとか産まれなかったとかはある。どう考えていいのか。なんて言えばいいのか。何も言えなくなってしまう。その産むという可能性や領域についてわたしは真面目に考えるのをしないでいる。心底つらい。展覧会は素晴らしいものだった。産むかどうかについてあと10年くらいは悩むのだが、10年後にはどちらにせよもう悩まなくていいのだ。