2021/08/20

 昼に起きてちょっとご飯を食べて海へ。長袖長ズボンのスウェットスーツ的な水着を持ってきたのでそれでうろうろできる。対馬は石でできた島で、土壌がえぐれていて山の端っこと海岸がくついている。断崖みたいになっているところは薄く割れるような石が山から飛び出しており、海につづく部分は雲に撫でられたような岩がたくさんある。足音がごろごろとする。足音が石になっている。歩くのに飽きたので泳ぐことにする。荷物を置いてサンダルを脱ぎ、海に入ってゆく。ラボから借りてきたGoproを恐る恐る水中に沈める。泳ぎながら撮影する。ヘッドマウントを部屋に置いてきてしまい、しまったなーと思いつつ、泳ぎながら手持ちで撮影する。脚だけですすむ。足のつかないところまで行くと少し水が冷たく、海底を蹴りに行くために頭を低くする。地面よりずいぶん低いところに頭がある。小さい魚がいる。ゆっくり浮上して、カメラをラッコのようにお腹に乗せて背泳をする。ああ泳いでいる時のことを書いていたら泳ぎたくなってきた。泳ぐのに疲れたら浜に上がり荷物を持って歩く。鳶がものすごく近くに転がる切り株の根降り立つ。入江の石の浜の、勾配が緩やかなところには苔が生えていてそこにだけフナムシがいっぱいいる。またちょっと泳いで、二時間くらい海辺でいろいろしたら散歩しながら体を乾かした。急に声をかけられて「どなたですか、知らん人がいるなと思って気になって」と聞かれる。どういう意味だろう(まあコロナとかもあって知らない人が村にうろうろびしょ濡れの体で歩いていたら、まあ変な感じもするか)と思いつつ、うらです、アートの・・というとああアートの!と認知してもらえた。広島のアートの学生さんね、と言われる。いや29歳なんです、うらです、神奈川に住んでいます、というと、ああうらさんちゅうのね、みんなでバーベキューしにおいでよアートのみんな連れて、と言われたもののコロナ対策でまあまあガチガチにやっていることもあって、そうですね様子みて(いけんけど、気持ちは受け取る、サンキュー)みんなと話してみますと伝え、そうねえ色々(コロナとか、コロナとか、コロナとか)あるけど楽しんでってねと副音声的なレイヤーのあるやりとりを交わして犬を撫でさせてもらい、少し遠回りして歩いて帰った。