2021/07/27

 きた、何もない日。やらないといけないことをやらないで後回しにしたということだけがある日。何を思って何をしたっけ。例によって二日経っているからあやふやではあるけれど。

アイスを食べていたら大澤君がふいに、サルトルの「嘔吐」の最初の方に、サルトルが通る公園に靴が両方違うおじいさん(元小学校の教頭先生だったらしい)が毎日座っていて、サルトルの友人に向けて手を差し伸べてにっこりし、サルトルは恐ろしくなり、しかしその理由は狂った老人の風体であるからではなく、エビやカニのようなことを考えているようだったから恐ろしくなったと書いてあったんですけど、急すぎて意味わからなくないですか?と言ってきた。わたしはにっこりと右手を何か別の生き物に向けてちょっと伸ばしながら微笑みかけるこの動作をしてみて、いや、結構わかるな、いやわかるというより、引きつけるならば、このにっこりの感じはザリガニの挨拶みたいかもたしかにと言った。大澤君はうわあそっちか〜と言っていた。からだの印象が言葉にジャンプを与えて、そのジャンプを体が引き受ける。

トライアスロンの選手たちが汚染された(写真は黄色く編集されてるが)海で泳いでいる写真とゲボゲボになって倒れている写真を見て、普通に吐き気がする。同情ではなく、毒みたいなものが体に捏造されるようなここち。